黄金 [風景]
無人島で1年間生活して来いと言われ、3つだけ好きな物を持っていって良いと言われたら。
耳掻き、爪切り、バファリンかなぁ~。
あっ!
耳掻きは反対側にモサモサがついてるやつね。
どうも野ねずみです。
黄金のように輝く道。
綺麗というより、すんごい目が痛かった。
昆虫ではありませんが^^;
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耳掻き、爪切り、バファリンかなぁ~。
あっ!
耳掻きは反対側にモサモサがついてるやつね。
どうも野ねずみです。
黄金のように輝く道。
綺麗というより、すんごい目が痛かった。
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出番待ち [風景]
パンドラの箱の中にはきっと。。。
ニッパーが入っていると思う。
どうも野ねずみです。
最近めっきり仕事が減った。
世代交代ってやつなのか?
若手のアヒルと白鳥にばかり人が群がる。
こんな無造作に置きやがって。
俺は亀か!!
甲羅干ししてんじゃねーんだからさ。
昆虫ではありませんが^^;
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ニッパーが入っていると思う。
どうも野ねずみです。
最近めっきり仕事が減った。
世代交代ってやつなのか?
若手のアヒルと白鳥にばかり人が群がる。
こんな無造作に置きやがって。
俺は亀か!!
甲羅干ししてんじゃねーんだからさ。
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セカンド [風景]
いろはすのペットボトル。
穴があかないか心配です。
どうも野ねずみです。
今日は「KOM(キングオブマニュアル)」にお誘いいただけたので参加してきました^^
結果は散々でしたがとても楽しかったです☆
「KOM(キングオブマニュアル)」とは? →Danny Tさんの記事で紹介されています♪
皆さんと別れた後は試し撮り。
ボーナスをつぎ込んで買っちゃいました。
タムロン AF 18-200mm F/3.5-6.3 XR Di II (コニカミノルタ AF) のレンズと。
タムロン SP AF90mm F2.8 Di MACRO 1:1 (ソニーAF)のレンズ。
今日はAF 18-200mm F/3.5-6.3 XR Di IIのレンズを試してきました。
値段の割にはとても気に入りました^^
ニコンのマクロを買う予定だったのですが、気付いたらα350が増えちゃった(笑)
あれ~?
オカシイナ。。。
沼にダイブした感じ満々の晩秋。
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穴があかないか心配です。
どうも野ねずみです。
今日は「KOM(キングオブマニュアル)」にお誘いいただけたので参加してきました^^
結果は散々でしたがとても楽しかったです☆
「KOM(キングオブマニュアル)」とは? →Danny Tさんの記事で紹介されています♪
皆さんと別れた後は試し撮り。
ボーナスをつぎ込んで買っちゃいました。
タムロン AF 18-200mm F/3.5-6.3 XR Di II (コニカミノルタ AF) のレンズと。
タムロン SP AF90mm F2.8 Di MACRO 1:1 (ソニーAF)のレンズ。
今日はAF 18-200mm F/3.5-6.3 XR Di IIのレンズを試してきました。
値段の割にはとても気に入りました^^
ニコンのマクロを買う予定だったのですが、気付いたらα350が増えちゃった(笑)
あれ~?
オカシイナ。。。
沼にダイブした感じ満々の晩秋。
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河口湖で紅葉を [風景]
冬桜を撮りに、鬼石の桜山公園に行ったら駐車料金を払ったとたんに雨が降りだしやがった。
運が無いにも程があるぞ。
どうも野ねずみです。
河口湖についてからしばらくは、富士山が顔を出してくれずフラフラと挙動不審な動きを繰り返していました。
なんだかとても寒さを感じさせる葉っぱ。
こうゆうのを見ると冬って実感しますね。
人の流れに飲まれた流れついた「もみじ回路」。
とても素敵な場所でした。
流されるのもいいもんだ。
今回の目標は「富士山を撮る」でした。
無事に撮れたので今回は達成。
さてさて、続いても目標は「富士山をもっとくっきり撮る」と設定してみようと思います。
ここで問題というか、最大の敵が現れます。
早起き。
これはやっかいな敵だ。
どうやら富士山は朝早くがくっきり撮れるらしい。
頑張れ野ねずみ。
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運が無いにも程があるぞ。
どうも野ねずみです。
河口湖についてからしばらくは、富士山が顔を出してくれずフラフラと挙動不審な動きを繰り返していました。
なんだかとても寒さを感じさせる葉っぱ。
こうゆうのを見ると冬って実感しますね。
人の流れに飲まれた流れついた「もみじ回路」。
とても素敵な場所でした。
流されるのもいいもんだ。
今回の目標は「富士山を撮る」でした。
無事に撮れたので今回は達成。
さてさて、続いても目標は「富士山をもっとくっきり撮る」と設定してみようと思います。
ここで問題というか、最大の敵が現れます。
早起き。
これはやっかいな敵だ。
どうやら富士山は朝早くがくっきり撮れるらしい。
頑張れ野ねずみ。
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富士山 [風景]
蕎麦よりうどん派です。
どうも野ねずみです。
富士山がどうしても撮りたくて河口湖まで行ってきました。
予定は土曜の夜のうちに出発して、向こうで朝を待ち朝富士を撮る予定でしたが12時を過ぎた辺りで寝ちった。
なんとか5時に起きれたので20分ほど行くか、止めるか悩んで行く方の野ねずみが最終ラウンドまで頑張りなんとか判定勝ちしたので5時半に家を出ました。
道中何でかコンビニに多々寄りたくなり、3店舗よりつつ山梨で道に迷い行ったり来たりしながら9時に無事河口湖に到着。
当初の予定では、山中湖に行く予定でしたがめんどくさくなっちゃった。
着いた時は霧なんだか、雲なんだかわからないものがすごく富士山が何処にあるかさえわからずスワンボート撮って帰ろうかななどと思っていると、スワンボートのお店のおじさんがこちらにやってきた。
「うわ。。。 スワンに乗せられる。。。」と思い、しばらく自分の車の周りをおじさんと追いかけっこ。
するとおじさんが「兄ちゃん今日は何しに来たん?」とついに声をかけてきました。
なんて答えたらスワンに乗らないで済むだろう?と悩みつつ「写真でも撮ろうかと。。。」とボソッと返答。
「あー。 それだったらもう少し先に行った場所で、紅葉祭りやってるから行ってみな。 まだ朝早いし混んでないから。今日が最終日だから。」と。
すげーいい人じゃん!!
ソッコーおじさんの側に行き「ほんとですか!? 行ってみます!」
おじさんは丁寧に場所を教えてくれて笑顔で手を振って送り出してくれました。
「野ねずみ珍道中」より
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どうも野ねずみです。
富士山がどうしても撮りたくて河口湖まで行ってきました。
予定は土曜の夜のうちに出発して、向こうで朝を待ち朝富士を撮る予定でしたが12時を過ぎた辺りで寝ちった。
なんとか5時に起きれたので20分ほど行くか、止めるか悩んで行く方の野ねずみが最終ラウンドまで頑張りなんとか判定勝ちしたので5時半に家を出ました。
道中何でかコンビニに多々寄りたくなり、3店舗よりつつ山梨で道に迷い行ったり来たりしながら9時に無事河口湖に到着。
当初の予定では、山中湖に行く予定でしたがめんどくさくなっちゃった。
着いた時は霧なんだか、雲なんだかわからないものがすごく富士山が何処にあるかさえわからずスワンボート撮って帰ろうかななどと思っていると、スワンボートのお店のおじさんがこちらにやってきた。
「うわ。。。 スワンに乗せられる。。。」と思い、しばらく自分の車の周りをおじさんと追いかけっこ。
するとおじさんが「兄ちゃん今日は何しに来たん?」とついに声をかけてきました。
なんて答えたらスワンに乗らないで済むだろう?と悩みつつ「写真でも撮ろうかと。。。」とボソッと返答。
「あー。 それだったらもう少し先に行った場所で、紅葉祭りやってるから行ってみな。 まだ朝早いし混んでないから。今日が最終日だから。」と。
すげーいい人じゃん!!
ソッコーおじさんの側に行き「ほんとですか!? 行ってみます!」
おじさんは丁寧に場所を教えてくれて笑顔で手を振って送り出してくれました。
「野ねずみ珍道中」より
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縁の下の力持ち [風景]
ふと昔の失敗を思い出し悔やむことがあります。
どうも野ねずみです。
君がいるから毎年美味しいお米が食べれるんだと思う。
雨にも負けず、風にも負けず、暑い太陽にも挫けない。
君のような縁の下の力持ちに僕はなりたい。
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どうも野ねずみです。
君がいるから毎年美味しいお米が食べれるんだと思う。
雨にも負けず、風にも負けず、暑い太陽にも挫けない。
君のような縁の下の力持ちに僕はなりたい。
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辺りを包むもの [風景]
車のブレーキランプが切れているのを親切に教えてくれた人がいました。
ちょっとした事だけど嬉しかったです。
どうも野ねずみです。
山の合間を流れるかのように周りを包み込むもの。
包み込まれたものは進む足を止めずにはいられなくなる。
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ちょっとした事だけど嬉しかったです。
どうも野ねずみです。
山の合間を流れるかのように周りを包み込むもの。
包み込まれたものは進む足を止めずにはいられなくなる。
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巫女さんを撮るつもりが。。。 [風景]
食う、寝る、遊ぶを続けていたらダメな大人になっちゃいました。
どうも野ねずみです。
お盆休みに行った武田神社での一枚。
自己満足だとわかっておりますが、いままで撮った中で一番好きな一枚です。
巫女さんだと思って撮ったら、男の人でした。。。
風林火山。
風邪をひくとだるい。
林でのポイ捨てはしてはいけない。
火山は危ない。
山は虫が出て嫌。
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どうも野ねずみです。
お盆休みに行った武田神社での一枚。
自己満足だとわかっておりますが、いままで撮った中で一番好きな一枚です。
巫女さんだと思って撮ったら、男の人でした。。。
風林火山。
風邪をひくとだるい。
林でのポイ捨てはしてはいけない。
火山は危ない。
山は虫が出て嫌。
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落し物 [風景]
めんどくさくなってきたので長文はこれで最後にします。
どうも野ねずみです。
草むらに落ちていたぬいぐるみを拾うと、男の子は噴水の前まで歩いていった。
そして、ぬいぐるみについたゴミを払いながら「きみも僕と一緒かな。」と呟いた。
しばらくぬいぐるみを眺めていると後ろから声がした。
男の子は振り向くと同じ歳くらいの女の子が立っていました。
「そのぬいぐるみ探してたの。」と女の子は言いました。
女の子にぬいぐるみを渡すと「この子は私の家族なの。見つけてくれてありがとう」と笑顔で言いました。
「家族?」男の子は訪ねました。
「うん。今日はこれからあの丘の上で家族で写真を撮るの。だからこの子がいないとダメなの。」
「どうしてあの丘で撮るの?」
「パパとママね、子供の頃小さい種を一緒に植えたんだって。でも、雨で流れちゃってどこかにいっちゃったみたいなの。でもね、大人になって見つけたの。あの丘の上で。だから、あそこはパパとママの思い出の場所なの。今日撮らないと撮れなくなるから。」
男の子が次の質問をするより先に女の子が答えました。
「私ね、今日お引越しするの。 あ!もう行かないと!」女の子はもう一度笑顔を見せると走り出した。
男の子は走り去る女の子を見つめていると、ふと女の子は振り返り丘の方を指差しました。
白いワンピースを着た女の子は、笑顔で丘の方を指差していました。
「せいちゃ~ん!! あったわよ!!」という声に男の子は振り返りました。
施設員のお姉さんがタイヤの取れた自動車のオモチャを高々と上げて男の子に微笑んでいました。
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どうも野ねずみです。
草むらに落ちていたぬいぐるみを拾うと、男の子は噴水の前まで歩いていった。
そして、ぬいぐるみについたゴミを払いながら「きみも僕と一緒かな。」と呟いた。
しばらくぬいぐるみを眺めていると後ろから声がした。
男の子は振り向くと同じ歳くらいの女の子が立っていました。
「そのぬいぐるみ探してたの。」と女の子は言いました。
女の子にぬいぐるみを渡すと「この子は私の家族なの。見つけてくれてありがとう」と笑顔で言いました。
「家族?」男の子は訪ねました。
「うん。今日はこれからあの丘の上で家族で写真を撮るの。だからこの子がいないとダメなの。」
「どうしてあの丘で撮るの?」
「パパとママね、子供の頃小さい種を一緒に植えたんだって。でも、雨で流れちゃってどこかにいっちゃったみたいなの。でもね、大人になって見つけたの。あの丘の上で。だから、あそこはパパとママの思い出の場所なの。今日撮らないと撮れなくなるから。」
男の子が次の質問をするより先に女の子が答えました。
「私ね、今日お引越しするの。 あ!もう行かないと!」女の子はもう一度笑顔を見せると走り出した。
男の子は走り去る女の子を見つめていると、ふと女の子は振り返り丘の方を指差しました。
白いワンピースを着た女の子は、笑顔で丘の方を指差していました。
「せいちゃ~ん!! あったわよ!!」という声に男の子は振り返りました。
施設員のお姉さんがタイヤの取れた自動車のオモチャを高々と上げて男の子に微笑んでいました。
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ポンコツ自動車 [風景]
芸術の秋ですなぁ~。
どうも野ねずみです。
せいちゃんの自動車はポンコツの自動車。
塗装は剥げ落ち、シートもボロボロ。
所々綿が出ちゃってます。
でも、せいちゃんはこの自動車が大好き。
幼い頃からずっと一人だったせいちゃんに初めてできた家族がこの自動車。
周りの皆は「せいちゃん。もっと綺麗な自動車に乗りなよ。そんなポンコツ自動車かっこ悪いよ。」と言いますが、せいちゃんはこの自動車が好き。
自分に合っている気がするから。
せいちゃんは休みの日になると、決まってポンコツ自動車を洗いに行きます。
洗う度に塗装が剥がれてしまうけど、せいちゃんは一生懸命綺麗にしてあげます。
ある日いつものようにポンコツ自動車を洗っていると、女の人がせいちゃんに声をかけました。
「この自動車の写真撮ってもいいですか?」と。
せいちゃんはキョトンとした顔で「ボロボロだから、撮っても良い写真にはなりませんよ。もっと綺麗な自動車を撮った方がいいのでは。」と答えました。
「この自動車がいいんです。撮ってはダメですか?」と笑顔で女の人は言いました。
「ありがとう。好きに撮ってください。」とせいちゃんも笑顔で言いました。
写真を撮っている女の人を見つめながら、せいちゃんは「この自動車。僕の家族なんです。」と話しかけました。
この人になら、ポンコツ自動車を家族だと伝えても受け止めてくれる気がしたからです。
写真を撮る手を止めて女の人は、「素敵な家族ですね。」と笑顔を見せてくれました。
それからせいちゃんの休みの日は、ポンコツ自動車を洗う事と彼女とお話する事の二つになりました。
それから数ヵ月後の休みの日。
せいちゃんはいつものようにポンコツ自動車を洗っていました。
しかし、いつもと違うのはとても寂しそうな顔をしていました。
「今日は寂しそうな顔をしていますね。どうしたのですか?」といつもの時間にカメラを持った女の人がやってきました。
「この自動車、病気になってしまったんです。心臓が弱ってしまって、いつ止まってもおかしくないそうです。」とせいちゃんは、彼女の方を振り返らずに答えました。
「私、いつもあの丘の上で写真を撮っているんです。いつかこの自動車にも見せてあげてください。とても素敵な景色ですよ。」と言い残し女の人は歩き出しました。
自動車を洗う手を止め去っていった女の人の後姿に目をやると、今日は白いワンピースを着ていました。
遠目からでもその美しさははっきりとわかりました。
ふと女の人は振り返り、せいちゃんに向かい丘の上を指差しました。
いつもの笑顔で女の人は丘を指差していました。
自動車を洗い終えたのは日が傾き始めた頃でした。
バケツやタオルを自動車の中に放り込むと、せいちゃんはポンコツ自動車に「丘へ行こうか。」と呟きました。
苦しそうに「ガコン、ガコン」言いながらもポンコツ自動車は坂道を登っていきました。
止まりそうな心臓を必死で動かしてポンコツ自動車は登っていきました。
坂を登りきるとポンコツ自動車は「ガクン!」と大きな雄叫びをあげて動かなくなってしまいました。
せいちゃんはポンコツ自動車から降りると「良く頑張ったね。どうもありがとう。」と優しい声で話しかけました。
ポンコツ自動車はかすれるような声で「プシュ、プシュ」と言っていましたが、いずれ何も言わなくなり辺りは静寂に包まれました。
せいちゃんはしばらく自分の住んでいる町を見下ろしていました。
日は顔を隠し、辺りは薄っすら闇を招き始めました。
せいちゃんは足元に目落とした時にある物に気づきました。
カメラ。
それは見慣れたカメラでした。
「?」
そのカメラをそっと拾うとゆっくりとファインダーを覗いてみました。
覗いた先にはボヤけた赤い物が見えました。
飛び出たレンズの部分を回すと赤い物はだんだん鮮明に見えだしました。
その赤い物も見慣れた物でした。
違っていたのは、昼間見た時は白だった。
せいちゃんは転がり落ちるようにその赤い物へと駈け寄りました。
そして抱き起こしたのですが、そこには見慣れた笑顔はありませんでした。
せいちゃんは抱きかかえると静寂の闇を走り出しました。
助けたい。
心の中はそれ一つでした。
どんなに走っても静寂からは逃れられませんでした。
闇と静寂は出口の無い迷路を作り出しせいちゃんを飲み込んでしまいました。
せいちゃんの心の中の助けたいは、だんだんと絶望へと変わり始めました。
その時。
辺りを揺るがすほどの雄叫びが闇と静寂を切り裂きました。
最後の力を振り絞るような雄叫び。
辺りを見渡したせいちゃんの目に二つの丸い光が飛び込んできました。
ポンコツ自動車。
力強い心臓音と共にせいちゃんを迷路から救い出してくれました。
せいちゃんはポンコツ自動車が大好きでした。
でも、今は綺麗なかっこいい自動車に乗っています。
あれからせいちゃんには家族が増えました。
ポンコツ自動車はいないけど、せいちゃんの助手席には2人います。
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どうも野ねずみです。
せいちゃんの自動車はポンコツの自動車。
塗装は剥げ落ち、シートもボロボロ。
所々綿が出ちゃってます。
でも、せいちゃんはこの自動車が大好き。
幼い頃からずっと一人だったせいちゃんに初めてできた家族がこの自動車。
周りの皆は「せいちゃん。もっと綺麗な自動車に乗りなよ。そんなポンコツ自動車かっこ悪いよ。」と言いますが、せいちゃんはこの自動車が好き。
自分に合っている気がするから。
せいちゃんは休みの日になると、決まってポンコツ自動車を洗いに行きます。
洗う度に塗装が剥がれてしまうけど、せいちゃんは一生懸命綺麗にしてあげます。
ある日いつものようにポンコツ自動車を洗っていると、女の人がせいちゃんに声をかけました。
「この自動車の写真撮ってもいいですか?」と。
せいちゃんはキョトンとした顔で「ボロボロだから、撮っても良い写真にはなりませんよ。もっと綺麗な自動車を撮った方がいいのでは。」と答えました。
「この自動車がいいんです。撮ってはダメですか?」と笑顔で女の人は言いました。
「ありがとう。好きに撮ってください。」とせいちゃんも笑顔で言いました。
写真を撮っている女の人を見つめながら、せいちゃんは「この自動車。僕の家族なんです。」と話しかけました。
この人になら、ポンコツ自動車を家族だと伝えても受け止めてくれる気がしたからです。
写真を撮る手を止めて女の人は、「素敵な家族ですね。」と笑顔を見せてくれました。
それからせいちゃんの休みの日は、ポンコツ自動車を洗う事と彼女とお話する事の二つになりました。
それから数ヵ月後の休みの日。
せいちゃんはいつものようにポンコツ自動車を洗っていました。
しかし、いつもと違うのはとても寂しそうな顔をしていました。
「今日は寂しそうな顔をしていますね。どうしたのですか?」といつもの時間にカメラを持った女の人がやってきました。
「この自動車、病気になってしまったんです。心臓が弱ってしまって、いつ止まってもおかしくないそうです。」とせいちゃんは、彼女の方を振り返らずに答えました。
「私、いつもあの丘の上で写真を撮っているんです。いつかこの自動車にも見せてあげてください。とても素敵な景色ですよ。」と言い残し女の人は歩き出しました。
自動車を洗う手を止め去っていった女の人の後姿に目をやると、今日は白いワンピースを着ていました。
遠目からでもその美しさははっきりとわかりました。
ふと女の人は振り返り、せいちゃんに向かい丘の上を指差しました。
いつもの笑顔で女の人は丘を指差していました。
自動車を洗い終えたのは日が傾き始めた頃でした。
バケツやタオルを自動車の中に放り込むと、せいちゃんはポンコツ自動車に「丘へ行こうか。」と呟きました。
苦しそうに「ガコン、ガコン」言いながらもポンコツ自動車は坂道を登っていきました。
止まりそうな心臓を必死で動かしてポンコツ自動車は登っていきました。
坂を登りきるとポンコツ自動車は「ガクン!」と大きな雄叫びをあげて動かなくなってしまいました。
せいちゃんはポンコツ自動車から降りると「良く頑張ったね。どうもありがとう。」と優しい声で話しかけました。
ポンコツ自動車はかすれるような声で「プシュ、プシュ」と言っていましたが、いずれ何も言わなくなり辺りは静寂に包まれました。
せいちゃんはしばらく自分の住んでいる町を見下ろしていました。
日は顔を隠し、辺りは薄っすら闇を招き始めました。
せいちゃんは足元に目落とした時にある物に気づきました。
カメラ。
それは見慣れたカメラでした。
「?」
そのカメラをそっと拾うとゆっくりとファインダーを覗いてみました。
覗いた先にはボヤけた赤い物が見えました。
飛び出たレンズの部分を回すと赤い物はだんだん鮮明に見えだしました。
その赤い物も見慣れた物でした。
違っていたのは、昼間見た時は白だった。
せいちゃんは転がり落ちるようにその赤い物へと駈け寄りました。
そして抱き起こしたのですが、そこには見慣れた笑顔はありませんでした。
せいちゃんは抱きかかえると静寂の闇を走り出しました。
助けたい。
心の中はそれ一つでした。
どんなに走っても静寂からは逃れられませんでした。
闇と静寂は出口の無い迷路を作り出しせいちゃんを飲み込んでしまいました。
せいちゃんの心の中の助けたいは、だんだんと絶望へと変わり始めました。
その時。
辺りを揺るがすほどの雄叫びが闇と静寂を切り裂きました。
最後の力を振り絞るような雄叫び。
辺りを見渡したせいちゃんの目に二つの丸い光が飛び込んできました。
ポンコツ自動車。
力強い心臓音と共にせいちゃんを迷路から救い出してくれました。
せいちゃんはポンコツ自動車が大好きでした。
でも、今は綺麗なかっこいい自動車に乗っています。
あれからせいちゃんには家族が増えました。
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